四季・冬

2004年3月9日 読書
ISBN:4061823639 新書 森 博嗣 講談社 ¥800

買いました。
S&MシリーズやVシリーズでもおなじみの、天才・真賀田四季を描く四季4部作の最終巻。
森博嗣の書くものの特徴的なことのひとつに「前提条件ですら疑わしい」ということがある。
例えば、死体が見つかった場合「それが本当に死んでいるかどうか疑わしい」し、名前が出てきても「本当の名前なのか疑わしい」。性別にしても同じ。ここまで前提条件を「疑ってしかるべきもの」と捉える作家はそうはいないと思う。
その影響か、森博嗣作品を読むときはいつも地の文でさえ信用できない。
「犀川と出てきたが…これは本当に創平か?子とか孫かも、いやロボットかも」
「基志雄か…以前は四季の(検閲削除)だったけど…こいつもそうだとは限らねえ」
「ん。子供?子供?ひょっとかすると(検閲削除)」
etc…

四季・冬ではついに「女王の百年密室」とリンクする。つまり前作より100年くらい時代がはなれてるというわけ。もちろん100年たっても真賀田四季の存在が忘れ去られてないあたり、森博嗣の四季マンセーが感じられて少し不快だけれど。それと、無理に作品をリンクしすぎるのもあまり好きではないな。無茶しすぎ。
さらに言えば、(いつものことだけれど)他の森作品を全て読んでいるのがほぼ前提条件となっているのも評価できない部分だ。今回は「女王の百年密室」を読んでない人は何が面白いのかわからないネタが幾つか出てくる。注意。
しかし、今回は四季4部作の中でも上位に入る出来だと思う。四季の孤独がよく出てると感じた。萌絵にもいくつかフォロー?入ってるしね。

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